会長挨拶

 日本心療内科学会会員各位におかれましては、杜の都仙台で行われる第25回日本心療内科学会学術大会を心待ちにされているものと拝察いたします。本学会は、最新の情報を会員に届けられる絶好の機会と大いに期待しております。現在、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除になり、企業活動が再開されつつあります。このタイミングでは、予定通り実施できそうな雰囲気自体は増えて来ました。しかし、心療内科学会に最も関連ある学会である本年6月の札幌の日本心身医学会総会は中止となりました。また、本年10月頃の学会も順次中止もしくは延期になっており、身近なところでは日本摂食障害学会2020/10/10-11(大阪)が1年間延期になりました。誠に残念ですが、現状では止むを得ないと考えます。
 ついては、現在の早い段階で、第25回日本心療内科学会学術大会の、新型コロナウイルス対策を、久保千春理事長にご相談申し上げ、理事会にて討議いたしました。その結果、学会員の長距離移動、宿泊、自治体の他地域からの移動許可・集合人数制限、学会会場の換気がやや難しい実態、治療薬予防薬未確定、寒気増強とともに再流行が懸念される旨が検討されました。また、学会場での集団会食は多分不可能で、治療薬の無作為化比較臨床試験の結果も未公刊であり、予防接種も未認可である、以上を冷静に勘案すると、依然として不確定要素が多く、ハイリスクな状況であることを確認しました。この高い感染リスクがある中での学会開催は、学会参加人数の著減が見込まれるだけでなく、学会員が日本の各地で必要不可欠な医療を実施する中、医療のプロフェッショナルとして、困難ではないかと判断しました。
 以上により、第25回日本心療内科学会学術大会を約1年間延長することが理事会で決議されました。第26回総会・学術大会会長の九州大学・須藤信行教授には第25回総会の1年延長をご快諾下さいまして、厚く御礼申し上げます。第25回総会の日程は会場の関係で2021/10/23(土)・10/24(日)、場所は東北大学大学院医学系研究科星陵オーディトリウムを確保しました。
 会員各位におかれましては、この感染症蔓延の世界史を鑑み、1年間の学会延長をご承知下さいましたら幸甚です。第25回日本心療内科学会学術大会は、全世界にて一定の新型コロナウイルス対処法がほぼ決まるであろう時期に、大いに活気ある集会にする所存です。10月下旬の仙台は紅葉が鮮烈に美しい季節です。沢山の演題をお待ちしています。青葉とはまた趣を違えた杜都で皆様の新たな情報を種に、良い心療内科診療、研究、教育の何たるかを熱く語り合いましょう!


第25回日本心療内科学会学術大会 会長
東北大学大学院医学系研究科心療内科学 教授
東北大学病院心療内科 科長

福土 審