第42回日本肝臓学会東部会第42回日本肝臓学会東部会

ご挨拶

第42回日本肝臓学会東部会 開催にあたって

  • 会長 森山 光彦
    日本大学医学部内科学系
    消化器肝臓内科学分野
 

 この度、第42回日本肝臓学会東部会の会長を拝命して、誠に光栄に存じます。歴史ある本会を平成30年12月7日(金)、8日(土)の2日間、ザ・プリンス パークタワー東京(東京都港区芝公園)において開催することになりました。過去には日本大学から、第36回日本肝臓学会東部会会長を荒川泰行教授が担当されております。日本大学医学部消化器肝臓内科学講座(旧第3内科学講座)第4代教授である荒川先生の果たされた功績に恥じることのないよう、医局員一同尽力する所存でございます。

 本学会は、テーマを「その先の肝臓病学へ」といたしました。DAAによりC型肝炎の撲滅が近づいたものの、肝癌発生の予防・予知の道は依然として険しく、またB型肝炎の撲滅にはまだ道のりは遠く、肝癌の長期生存も難しい今、我々はこの先これら諸問題にどのような新しい展開がなされるのかを現在の情報を整理して、肝臓病診療の将来に繋げたい、と考えました。今後、肝疾患診療に活用されうる新しいモダリティなどを明確にして、将来を見据えた肝臓病学のあり方について討議できればと考え、プログラムを設定いたしました。

 今日、分子生物学的な手法は日進月歩で発展しています。最近では次世代シークエンサー(NGS)を用いた解析が盛んになされていますが、実臨床へのフィードバックがどの程度なされているのか疑問に思えます。しかしながらNGSも一度により長い塩基の解析が可能となったことにより、飛躍的に疾患への応用に道が開かれると思います。また1細胞からの解析が可能となりましたが、最近では培養細胞のみならず固形臓器からの1細胞解析も可能となっています。

 肝硬度の測定についても種々の方法が開発・運用されており、今後肝疾患の病態予測により有用な手段となることは間違いありません。このように新しいモダリティを駆使して臨床に用いるべくさまざまな活動がなされていますが、現時点での総括と、今後の展開を中心に討議して、多くの学会員や実臨床に携わっておられる方々へフィードバックし、肝臓病診療に寄与できれば幸いでございます。

 このような観点よりプログラムをセミナー、シンポジウム、パネルディスカッション、ワークショップ、一般演題に加えて、若手医師発表のセッションを設定いたしました。またシンポジウムを多数設定してより多くの若手研究者に発表していただき、ディスカッションの場を提供したいと思っております。

  多くの方々にご参集いただき、実り多い有意義な会となりますことを心より願っております。