会長挨拶

第25回日本消化管学会教育講演会 会長
獨協医科大学医学部 内科学(消化器)講座 主任教授
入澤 篤志

 この度、第25回日本消化管学会教育講演会の会長を拝命いたしました獨協医科大学医学部内科学(消化器)講座の入澤篤志と申します。GI Week 2026の構成学会のひとつである本会を担当させて頂くことは、教室にとりまして大変光栄に存じますとともに、私自身、その責任の重大さに身の引き締まる思いです。このような機会を与えてくださいました永原理事長はじめ学会役員、代議員ならびに会員の皆様に、心より感謝申し上げます。
 今回のテーマは「消化管診療のアップデート2026」といたしました。近年の消化管学は、エポックメイキングな数々の基礎研究、消化器内視鏡をはじめとする様々な画像診断そして治療法の開発、薬物療法・ゲノム医療の進歩等により、まさに日進月歩の勢いで進化しています。 消化管学の診療、研究、教育に携わる皆様は、その流れに乗り遅れずに多くの知識をアップデートしなくてはなりません。本教育講演会では、“日々の診療の向上”だけではなく“研究の発展”にも大きく役立つ内容を、日本のトップランナーの先生方にご講演いただきます。
 上部消化管については内視鏡診療を主体とし、近年新しい治療として脚光を浴びている「GERDに対する内視鏡治療」・「消化管粘膜下腫瘍に対する内視鏡治療」、また、未だ重要な内視鏡治療手技として知っておかねばならない「食道胃静脈瘤に対する内視鏡治療」、そして、近年の大きな問題である「H.pylori未感染胃癌」の4項目をテーマと致しました。一方、下部消化管においては、外科医のみならず内科医としても十分に理解しておかねばならない「大腸癌・炎症性腸疾患に対する外科的治療・再生医療」、そして、最近話題となっている「小腸内細菌異常増殖症、Leaky gut症候群」を取り上げました。また、消化器に限らず様々な疾患に関連することも明らかになってきた腸内細菌についてのセッションも設け、「消化管免疫」および「生活習慣病との関連」についてご講演いただきます。そのほか、スポンサードセミナーでは、 Artistic intelligence(AI)の進歩がもたらす消化器内視鏡診療の未来についてフォーカスを当てました。
 本講演会は、進歩が著しい最新の消化管学を十分に学んで頂ける企画であると思っております。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。