会長挨拶

第18回日本カプセル内視鏡学会 学術集会会長
藤田医科大学先端光学診療学講座
大宮 直木

 この度、第18回日本カプセル内視鏡学会学術集会の会長を拝命しました藤田医科大学の大宮直木と申します。ご指名頂いた役員、会員の先生方にこの場を借りて改めて感謝申し上げます。本会をGI Week 2025の一つとして、2025年2月23日(日)に京王プラザホテルにてハイブリッド開催させていただく予定です。また2月22日(土)は日本消化管学会との合同セッションも予定しております。
 私が初めてカプセル内視鏡に出会ったのは2004年4月のことで、それはイスラエルから輸入された小腸カプセル内視鏡でした。既に2003年6月には山本博徳先生が開発されたダブルバルーン小腸内視鏡も導入されており、それまでほとんど観察できなかった深部小腸の両者の内視鏡画像に心躍らされたことを覚えています。当初のカプセル内視鏡の名称はM2A(Mouth to Anus)であり、口から肛門まで観察しようというのがイスラエルの開発者の意図であったと思われます。その後は大腸カプセル内視鏡が発売され、近年では中国を中心に磁気誘導胃カプセル内視鏡も登場しました。また、カプセル内視鏡は内服するだけの検査で専門技術は不要なため在宅検査が可能であり、5Gのデジタルインフラが整えば自宅からのデータ送信も夢ではなくなります。一方、昨今の診療報酬改定にはガイドラインへの掲載とレジストリ研究が要件になっていることから、日本カプセル内視鏡学会では、カプセル内視鏡診療ガイドラインの作成やJED(Japan Endoscopy Database)への組み入れにも取り組んでいます。
 以上の状況から、本会は「カプセル内視鏡のさらなる活用と普及をめざして」をテーマとし、原因不明消化管出血や炎症性腸疾患、腫瘍に対するカプセル内視鏡の活用、ガイドライン、AI診断、コ・メディカル支援、新たな試みなどカプセル内視鏡に関する最新情報を広く議論する場にしたいと考えております。特別講演は長年カプセル内視鏡を用いた臨床研究に取り組んでこられた富山大学の渡辺憲治先生にお願いしております。
 本学術集会がカプセル内視鏡の発展の一助となるような有意義な学会にしたいと考えております。多数の演題の応募と、多くの皆様のご参加をお待ちしております。