会長挨拶

第50回日本潰瘍学会 会長
日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野 診療准教授
中島 典子

 この度第50回日本潰瘍学会の会長を務めさせていただく日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科分野、 中島典子です。今回第50回という節目の年に会長を拝命したことは大変名誉なことと、恐縮しております。今回は50回という節目でもあることから、テーマは “次の半世紀の潰瘍学の飛躍に向かって”としました。この学会は私の恩師であった、松尾裕先生が愛してやまない学会であり、初めて話をした時も潰瘍の発症には胃酸だといわれその後粘膜防御機構が主なテーマとなりヘリコバクターピロリの感染が主要因となっても、感染だけではなく、潰瘍はまだまだ研究の必要性があるとずっと言われ、病床に就かれても、ほぼ毎週のように呼ばれて、研究は何処までいってるんだと、質問攻めに最後の時を向けるまで詰問状態でした。後輩の酢酸潰瘍の仕事が論文化した時には、たいそうお喜びいただき、来る人来る人に自慢していたと伝え聞いた記憶があります。そのためこの学会に私が在籍している間にお返しをしなければ、松尾教授に今度お会いした時怒られちゃうなと思っていたところ、前理事長の樋口和秀教授と理事の先生方に50回をやるようにご指名いただき、ありがたく思っていました。しかし、私の非力でできるのだろうかと悩んだこともあったのですが、ありがたいことに理事、評議員の先生方に協力するからねと言っていただき、この日を迎えています。
 この学会の特徴として他の学会とはことなり、臨床医や薬学の先生方ととことん科学を追及することができることです。こんなに議論が白熱する学会は類を見ないのではないかと思います。若い先生方はぜひぜひ参加していただき、しっかり科学を論じませんか。それを次の世代にお渡しするのが我々の世代の役目だと考えます。皆様のご参加、心からお待ちします。世代や組織を超えて熱い議論をし、より良い研究結果を追求することができたらと思っています。
 さて、今回は50回という節目でもあります。勉強もありですが、コロナ禍が落ち着いたら、楽しい宴会をしたいと思っています。宴会は派手にやるようにという皆様からのご要望が多いので、こちらも盛大にやりたいと思っています。皆様のご参加を心からお待ち申し上げます。