会長挨拶

第16回日本カプセル内視鏡学会学術集会 会長
東京慈恵会医科大学 消化器内科学/健康科学 教授
東京慈恵会医科大学附属病院 総合健診・予防医学センター センター長
加藤 智弘

 第16回日本カプセル内視鏡学会学術集会の会長を拝命致しました、東京慈恵会医科大学の加藤智弘でございます。ご指名頂きました本学会役員と会員の皆様に心から御礼を申し上げますとともに、本会へお力添え頂きますよう宜しくお願い申し上げます。本会をGI Week 2023の学術集会の一つとして2023年2月5日(日)に京王プラザホテルで開催させて頂く予定です。
 本学会は第16回にあたり、学会としての学術集会は15年を経過しました。当初は症例報告が多かった印象ですが、多くの症例データの蓄積から新しい知見が報告されるようになり、その一部では裏付けとなる基礎レベルでの研究も報告されてきました。小腸カプセル内視鏡はいまや小腸疾患の診断手段として必須の検査機器とはなりましたが、一方で新たな問題点(課題点)が挙がり、将来に向けての解決を探る必要も出てきたように考えています。
 このような状況において、第16回日本カプセル内視鏡学会では、「カプセル内視鏡 異端から先端へ」をテーマとしました。小腸疾患の診断の中心となったカプセル内視鏡がさらにより飛躍するために、学会員の皆様に向けてメッセージを伝える学術集会になることを期待しています。具体的には、①カプセル内視鏡検査が炎症性腸疾患の診療についてその果たすべき役割として、各施設からの実際の運用を元に診断・治療面からご検討頂く、②大腸カプセル内視鏡検査はまだ臨床に広く普及しているとは言い難く、その導入〜運用についての問題点を臨床〜健診側から検討して頂く、③実務担当のMedical staff側からの問題点について、現場の意見を聴く場とすることを検討しています。2020年初頭からの新型コロナウイルス感染症の流行は世界的な大混乱を引き起こしました。この状況下での各施設の取り組みについても報告して頂く機会を予定しています。一般演題もいつも通りに予定しており、貴重症例の共有の点で積極的な参加をお待ちしています。特別講演は中村哲也教授(獨協学園姫路医療系高等教育・研究機構 先端医療研究センター長)にお願いしています。本学会の立ち上げからご尽力されており、カプセル内視鏡について過去・現在を踏まえての特に「将来への提言」を頂く予定です。教育講演では「臨床医と研究」と題して、岩手医科大学の松本主之教授にお願いしています。日常診療で多忙を極めている臨床医として、研究に携わる姿勢、特に臨床上の未解決症例・課題への取り組みについて、指導的立場の先生からお話しいただけると期待し、学会員、特に若手の学会員には大変参考になる講演と考えています。
 現状では学会開催時のCOVID-19の状況を予測することは容易ではありませんが、GIWeek 2023で開催される他の学術集会とともに現地での開催を前提に準備を進めて参ります。カプセル内視鏡検査の発展の一助となるべく、意義ある学会としたいと考えております。多数の演題のご応募と多くの皆様のご参加を何卒宜しくお願い申し上げます。