会長挨拶

第15回カプセル内視鏡学会学術集会
松本 主之

 第15回カプセル内視鏡学会学術集会の会長を拝命致しました、岩手医科大学消化器内科消化管分野の松本主之でございます。ご指名頂きました本学会役員と会員の皆様に心から御礼を申し上げますとともに、本会へお力添え頂きますよう宜しくお願い申し上げます。本会をGI Week 2022の学術集会の一つとして2022年2月13日(日)に京王プラザホテルで開催させて頂く予定です。
 さて、消化器内視鏡検査のなかでも、21世紀になって開発されたカプセル内視鏡検査が日常臨床に導入されて15年以上の年月が経過しました。この間に小腸疾患が注目され、小腸腫瘍、炎症性疾患、あるいは出血性病変の病態解明が進み、新たな疾患概念が確立されるに至っています。この領域の臨床研究の進歩にカプセル内視鏡が多大なる影響を及ぼしたことは間違いのない事実です。一方、カプセル内視鏡は食道や大腸疾患の診断法としても進歩を遂げ、消化管疾患の臨床に必須の検査法となっています。さらにカプセル内視鏡はパノラマ撮像、画像強調、artificial intelligenceなどの技術により新たなツールへと進歩しつつあります。
 このような状況において、第15回カプセル内視鏡学会では、「カプセル内視鏡の現状と将来」をテーマとし、カプセル内視鏡に関するトピックスを広く議論したいと考えております。具体的には、いわゆる原因不明の消化管出血の見直し、炎症性腸疾患の内視鏡治癒における役割など、カプセル内視鏡が重要な役割を担う領域の現状と将来を議論し、カプセル内視鏡の教育についても考えてみたいと思っております。また、臨床医にとっては重要な「一度みたら忘れられない症例」を皆様と共有したいと存じます。一方、教育講演ではNSAIDsによる消化管粘膜障害、大腸カプセル内視鏡検査の実際などについて最近のトピックスを学びたいと思います。さらに、特別講演では、藤田医科大学の大宮直木教授よりカプセル内視鏡を用いた臨床研究の現状と将来について網羅的にご講演頂く予定です。
 現状では学会開催時のCOVID-19の状況を予測することは容易ではありませんが、GIW 2022で開催される他の学術集会とともに現地での開催を前提に準備を進めて参ります。カプセル内視鏡検査の発展の一助となるべく、意義ある学会としたいと考えております。多数の演題のご応募と多くの皆様のご参加を何卒宜しくお願い申し上げます。