ご挨拶
第3回セミナーでは、NEJMに掲載された新型コロナの疫学研究のうち、私が「もっとも重大な問題点がある」と感じた論文を紹介します。
今回紹介する論文は、2021年の春に英国で猛威をふるったデルタ株に対するワクチンの有効性を評価した症例対照研究です。症例対照研究のなかでも「検査陰性デザイン(test-negative design)」という手法が用いられています。ワクチンに関する症例対照研究のバイアスを減らすために開発された、最近の手法です。
ところが今回の論文では、「検査陰性デザイン」の手法を採用したと称しながら、もっとも核心的な部分でこの手法から逸脱しており、ワクチンの有効性を実際以上に過大評価する結果になっています。この点が、論文の査読の段階で見過ごされてNEJMに掲載され、その後も、この問題点が議論されることはありませんでした。
世界最高のNEJMに掲載される論文といっても、方法論に非の打ちどころがない研究ばかりではありません。重大な問題がある研究が、欠点が見過ごされて掲載されることもあるのです。意外に感じられる方も多いかも知れません。
「重大な問題点のあるこの論文が、なぜNEJMに掲載されたのか?」
セミナーでは、この点を分かりやすく解説します。
みなさまのご参加をお待ちしています。
坪野吉孝(セミナー講師)

開催日時:2022年5月28日(土)13:00―14:10
開催形式:Zoomセミナー・ライブ配信とオンデマンド視聴(セミナー後28日間)
講 師:坪野吉孝(東北大学大学院客員教授)(略歴は下記)
(参加費)
私費参加 1,000円
公費参加(研究費・経費等) 10,000円
(お申し込み)
[お申込み用QRコード]

または下記URLよりお申込みサイトに接続ください
https://onl.bz/vsLSBXp
申込み締切:2022年5月27日(金)17:00
(テキスト)

『疫学―新型コロナ論文で学ぶ基礎と応用』(坪野吉孝著・勁草書房)
第II部4章『急速に蔓延するデルタ株との闘い』(p158 - 175)
・御購入頂かなくても内容を理解頂けるように解説します
(解説・紹介予定の論文)
1:https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2108891
2:https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMe2110605
3:https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2113090
4:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8168935/
(講師略歴)
1989 年東北大学医学部卒業。国立がん研究センター、ハーバード大学公衆衛生大学院などを経て、
2004 年東北大学大学院教授(医学系研究科臨床疫学分野・法学研究科公共政策大学院)。
2011 年より精神科臨床医。
現在、東北大学大学院客員教授(医・歯・法)・早稲田大学大学院客員教授(政治学)
・国立がん研究センター客員研究員(予防研究部)。
筆頭著者の論文としてNEJM、JAMAなど。
NEJM日本国内版監修。
Twitter: @epidemia_jp
(その他)
・申込手続き時と当日のチャットなどで質問をお受けします
・Zoom画像の録画や音声の録音は控えてください
・領収書は支払い完了後に送信されるメールよりダウンロードいただけます
・参加証明書はセミナー後に送信されるメールよりダウンロードいただけます
(「疫学ワークショップ」について)
上記の「疫学セミナー」と並行して、「疫学ワークショップ」を行います
ワークショップでは、すでに出版された論文や、現在進行中の研究プロジェクトについて深く検討することにより、
疫学の最新の研究動向に関する理解を深め、参加者ご自身の研究に活用できるようにすることをめざします
詳細については、下記の事務局までお問い合わせください
(事務局・問合せ)
〒112-0005 東京都文京区水道 2-1-1
株式会社勁草書房 コミュニケーション事業部 内
E-mail:epi-seminar@keiso-comm.com
Web:https://www.keiso-comm.com/epi-seminar-3/
(パンフレットはこちらから)
(終了したセミナーのパンフレットはこちらから)
第2回疫学セミナーパンフレット(2022年4月23日開催)第1回疫学セミナーパンフレット(2022年3月4日開催)