演題募集概要
募集期間
多数の演題をご応募頂きまして誠にありがとうございました。
演題募集は終了いたしました。
募集演題
主題演題
会長特別企画
- 地震から学ぶこと ~福島と熊本~
司会の言葉
本邦は地震大国であり実際多くの震災を経験してきました。復興も未だ道半ばではありますが、災害時医療の観点からは緊急対応の重要性はもちろんのこと、長期に及ぶ避難生活が被災者に様々な健康被害を及ぼすことが懸念され、継続的で綿密な医療サポートが求められています。これらの貴重な経験をすべての医師が共有し、教訓として未来に生かすことは非常に大切なことであり、是非とも幅広い演題の応募をお願いしたいと思います。
コアシンポジウム
- 「消化管腫瘍学の最前線-臨床と基礎のブリッジング」消化管腫瘍におけるゲノム・エピゲノム研究の最先端
司会の言葉
実際の医学研究のほとんどは、基礎的研究の成果が先行して臨床的研究へと発展する。一方で臨床研究の結果が基礎研究が先行することもあり、どちらが“卵と鶏”の関係にあるかの判断は簡単ではない。このように基礎研究と臨床研究は互いに関連しあっており、両者の関係が“車の両輪”の関係にあることは以前から強調されてきた。しかし、これまで基礎研究者と臨床研究者が同じ場所に集い1つのテーマで議論する機会は多くはなかった。
本コアシンポジウムの第1回は“ゲノム・エピゲノム研究に関するテーマを選んだ。腫瘍におけるゲノム・エピゲノム異常は、消化管腫瘍発生において中核的な役割を担ってきた分子異常であるが、両者の関係、役割についての統一的理解が十分にされているとは言えない。本コアシンポジウムでは消化管腫瘍における最新のゲノム・エピゲノム研究の基礎的研究成果と現時点における臨床応用の最先端を示していただく。本シポジウムが消化管腫瘍を通じた基礎研究と臨床研究の真摯な対話を促進し、消化管腫瘍研究の発展の起爆剤になることを期待している。
- 「炎症性腸疾患:シームレスなアプローチを目指して」Total CareからMicrobiotaまで
司会の言葉
炎症性腸疾患の増加は著しく、治療の進歩により、小児-就学就労-妊娠出産-高齢と special situation をクリアしながら全人的な対応が益々必要になった。また治療自体もステロイドを軸とした治療から分子標的治療薬によるテーラメード治療時代を迎え、加えて腸内細菌の観点からのアプローチも始まった。Special situation を考慮しながら適切な治療を選択するには shared decision making が重要であり、その対応には基幹施設だけでなく専門 private clinic や medical staff の関与も益々必要になっている。あらたなコアシンポジウムの初年度として、年齢、治療、医療対応などにおけるシームレスなアプローチを念頭においた横断的で斬新な演題を幅広く募集したいと考えている。
- 「消化管機能性疾患の新展開」機能性ディスペプシアの病態・標的分子
司会の言葉
「機能性ディスペプシア(FD)」は、機能性消化管障害(FGIDs)のなかで、「機能性胃十二指腸障害」の一つとされるが、その病態は未解明な点が多く、そのため治療も根治的なものにはなりにくい。現在、FD の病因として、従来からの消化管の運動異常、内臓知覚過敏、社会心理的ストレスに加え、low grade inflammation (好酸球・肥満細胞浸潤), 腸内細菌叢, 食事因子などが考えられている。また、dyspepsiaを惹起する病態・標的分子(因子)としては、H. pylori 感染、TRPファミリー異常、異常腸内細菌叢と好酸球や肥満細胞浸潤、それらに関連する透過性亢進関連分子、胃十二指腸脳相関などが想定されているが、各々の因子間の関連性、中心的な病態、標的分子は解明されていない。本コアシンポジウムでは、FD の病態を分子レベルで解明し、治療上の標的分子に対するアプローチなどを含む、基礎的あるいは臨床的研究をご披露いただき、病態と治療標的の真髄に迫りたい。
- 「消化管画像診断」CT/MR colonographyと消化管TUSの現状と将来展望
司会の言葉
大腸疾患の診断・治療では内視鏡検査が大きな役割を担っているが、侵襲性もあり質の高い内視鏡専門医の数にも限界がある。従って、内視鏡治療を多くの患者が享受するためには、内視鏡検査に匹敵する画像診断法を確立することが必要である。そこで、本シンポジウムでは CT-colonography 、MR-colonography、transabdominal US を用いた画像診断の現状と将来について討論したい。最新データの提示と議論を頂ければ幸いである。
ワークショップ
- 消化管ホルモンを学ぶ
司会の言葉
胃酸分泌、消化管運動、膵外分泌・胆嚢収縮など、消化器機能に重要な役割を担う消化管ホルモンの他に、空腹ホルモンと呼ばれるグレリンや、糖尿病治療薬としてのインクレチンのように摂食行動や栄養代謝機能に関与する消化管ホルモンも明らかとなってきた。今回のワークショップでは、消化器機能、糖・脂質代謝、肥満、脳腸相関、腸内細菌などと消化管ホルモンとの関連に関する基礎研究や臨床研究を発表いただき、多彩で未知な作用を有する消化管ホルモンについての理解を深めたい。
- 食道アカラシアの診断と治療戦略
司会の言葉
日本食道学会による食道アカラシア取扱い規約(第4版)が2012年に出版され、食道X線造影像の拡張型が変更となり、内視鏡記載基準が4型に分類されるようになった。食道内圧検査は食道運動障害の診断に必須の検査であるが、最近では多チャンネル高解像度の high resolution manometry (HRM)が主流となり、シカゴ分類が提唱され、食道アカラシアでもサブタイプにより治療効果が異なることが徐々に明らかとなってきた。治療は、薬物療法、ボツリヌス毒素の局注療法、拡張術、腹腔鏡下筋層切開術、経口内視鏡的筋層切開術(POEM)など様々な方法が選択可能となったが、新しい診断法や診断基準に基づき、最良の治療効果を得るための治療戦略が現在求められている。そこで本ワークショップでは、食道アカラシアの診断と治療戦略に関する新しい知見を発表していただきたい。
- バレット食道腺癌の基礎と発癌
司会の言葉
近年、欧米では胃食道逆流症(GERD)とともに GERD を背景とするバレット食道、バレット食道腺癌の増加が著しい。今後欧米と同様に典型的 Barrett 食道や腺癌が増加していくのか、もしくは人種等根本的原因による違いが存在するのか現時点では不明である。その中で逆流性食道炎からバレット食道発生やさらに癌発生機序の詳細は不明でありこのセッションではバレット食道腺癌の基礎と発癌について研究と臨床両面において広く議論して頂きたい。
- 胃の精密内視鏡診断~どこまで病理に迫れるか?~
司会の言葉
適切な治療を選択するためには的確な内視鏡診断が要求されるのは言うまでもない。最近の内視鏡機器の進歩には目覚ましいものがあるが、一方でピロリ除菌後の胃粘膜の変化・修飾が加わるなど、内視鏡診断に苦慮する病変に遭遇する機会も増加している。消化器内視鏡医にとって、通常観察、色素法、画像強調観察、拡大観察、超音波内視鏡などを駆使した精密診断能力の獲得と向上は必須である。本ワークショップでは様々な病態の内視鏡像を提示して頂き、病理組織像に照らし合わせることで内視鏡所見の理解を深め、今後の診療に役立つ議論ができればと考えている。
- 薬剤性消化管障害の診断・治療の課題
司会の言葉
高齢化社会を迎えNSAIDs、抗血栓薬を使用する患者が増加している。また、抗凝固薬もワルファリンに加えて direct oral anticoagulant(DOAC)が登場し、その使用頻度も増えてきた。それに伴いそれら薬剤の副作用・合併症としての消化管障害・出血も増加し問題となっている。その他PPI、ビスホスネート、抗菌薬、抗がん剤等による消化管障害も報告されている。本ワークショップでは小腸・大腸を含めた全消化管に対する薬剤性障害の診断、治療の現状と問題点およびその対策について討論したい。
- GIST治療の最前線と今後の課題
司会の言葉
GIST の切除においては、例えば胃体部病変においては、LECS による治療が主体となろう。しかし、噴門部病変においては、腹腔鏡での切除が相対的に困難となってくるので、経口内視鏡による治療( ESD や POET など)が成立するかどうかが議論となる。これら GIST の切除法についても広く知見を求めたい。薬物療法は術後補助療法や、切除不能進行再発例に対して実施されている。イマチニブ、スニチニブ、レゴラフェニブと薬剤も増え、いかに臨床効果に繋げるか、議論を行いたい。
- 胃癌の低侵襲治療の現状と将来
司会の言葉
ESD は一般治療となり、SN concept との併用による適応拡大も模索されている。進行胃癌に対しては NAC による手術成績の向上も期待されている。今後の胃癌患者の超高齢化を鑑みると、病変の根治度評価のみならず患者側因子も評価する個別医療が究極の低侵襲治療かもしれない。本セッションでは、根治性と QOL を考慮した所謂 precision medicine に焦点をあてて将来の胃癌治療のあり方を議論したい。
- 胃癌治療後(ESD後、胃切除後)の H. pylori の諸問題
司会の言葉
本邦において悪性腫瘍の臓器別死因(2014年)は、肺癌、大腸癌に次いで、第3位が胃癌であり4万7890人が死亡している。2016年のシステマティックレビュー/メタ解析によると、H. pylori 除菌により新規の胃発癌リスクは 0.62、内視鏡切除後の胃癌患者の再発リスクは非除菌に比較して 0.46 に低下する。H. pylori 感染に関しては、除菌を原則とし、内視鏡あるいは外科手術による胃癌治療後、かつ除菌後に残る諸問題、除菌治療の時期、胃癌治療後の再発に関する病態や対策、フォローの仕方などについて広く演題を公募する。
- 消化管神経内分泌腫瘍の最新の知見
司会の言葉
本邦の消化管神経内分泌腫瘍の好発部位は直腸、胃、十二指腸であり、欧米と大きく異なる。また、比較的早期に発見され内視鏡的治療が行われることが多いが、内視鏡的治療・外科的手術の適応に関して十分なエビデンスは得られていない。さらに、近年、化学療法の選択肢も増え、切除不能例の治療アルゴリズムの構築が求められる。診断面ではオクトレオスキャンが保険収載された。このような本邦独自の状況に対応したエビデンスの集積が求められている。消化管神経内分泌腫瘍に関する基礎的、臨床的な最新の知見を提示して頂き、今日の適切な診断、治療について議論したい。
- 小腸疾患の診断と内視鏡開発の歴史
司会の言葉
検査方法に限界があり悪性腫瘍が少ないこともあって、小腸疾患は長く看過される傾向があったが、今世紀になり実用的な小腸内視鏡が発表されるとともに、小腸疾患にも注意が払われるようになってきた。技術の進歩はより詳細な診断を可能とし、これまで知られなかった病変も可視化されてきている。本セッションでは、これまでの技術開発をレビューし、新たな工夫や今後の課題について検討したい。
- 潰瘍性大腸炎治療における内科と外科の連携
司会の言葉
潰瘍性大腸炎(UC)に対する内科的治療は近年進歩が著しい、特にタクロリムスやバイオ製剤の導入により、以前は緊急手術が必要であったような症例でも寛解導入が可能になってきている。しかし、すべての症例に奏功するわけではなく、特に高齢者の重症例では、内科的治療の効果判定を早期に行い、手術を決定しないと生命的な予後は不良である。内科的治療の限界をどのように見極め、手術に移行するかは、治療法の選択肢が今後も増加が予想される UC 領域においては重要な課題である。活発な討議を期待したい。
- クローン病の薬物療法・手術療法のすべて
司会の言葉
クローン病には多くの治療法があり、病態に合わせて選択がなされる。薬物療法は近年では、生物学的製剤が中心になり、病態を評価して適応をきめ、効果モニタリングがなされる。適切な適応とモニター法はどのように選択するのか?また、長期投与中には二次無効が問題になる。倍量投与の適応と効果は如何であろうか?最近新たな抗体製剤が使用可能となった。その効果は如何であろうか?また、生物学的製剤に生じる副作用対策は如何であろうか?
一方、外科手術療法の適応は、内科治療の進歩に伴い変化したであろうか?手術数は減ったのであろうか、あるいは手術法に変化が現れるほど内科的治療の効果は向上したのか?また、手術適応病変の形態に変化があるのか?手術後生物学的製剤早期投与により再手術は減少できるのか?両治療にはまだ多くの疑問が存在するので、その回答を本ワークショップで議論していただきたい。
- 遺伝性大腸疾患の最新の知見
司会の言葉
遺伝性大腸癌は全大腸癌の5%未満を占めるとされ、日常診療上決して無視できない疾患群である。散発性大腸癌と異なり、遺伝性大腸癌では生涯にわたるサーベイランス、大腸外腫瘍性病変や血縁者に対する対応等が求められる。近年、次世代シークエンス技術を利用した multigene panel による遺伝子診断も日常臨床の場に普及しつつある。本ワークショップでは、あらゆる遺伝性大腸癌を対象に、基礎・臨床を問わず、最新の研究成果について提示頂き、今後の遺伝性大腸癌の診療の方向性について討論したい。
- 非遺伝性大腸癌のバイオマーカーと治療戦略
司会の言葉
近年、大腸癌領域ではさらなる治療成績の向上のため、分子標的治療薬をはじめとした新薬の開発やオーダーメイド医療を目的としたバイオマーカーの探索が進んでいる。RAS遺伝子検索のようにすでに治療効果の予測因子として臨床応用されているバイオマーカー以外にも、橋渡し研究あるいは基礎的研究から今後の発展が期待できるバイオマーカーも存在する。このセッションでは広くバイオマーカーと治療戦略について議論をお願いしたい。
- 大腸ESDのこれまでとこれから
司会の言葉
大腸 ESD は、画像強調や色素拡大内視鏡を用いた診断技術の向上とともに普及してきた。しかし、薄い大腸壁、狭く屈曲した管腔、ハウストラの存在など、依然として難易度の高い手技と言える。一方、手技が簡易で施行時間も短い EMR は、分割切除を容認するならば低再発率で施行が可能である。これらを踏まえ、今後の大腸 ESD の発展には、内視鏡治療の適応診断が現行で十分か(適応拡大症例も含めて)、手技やデバイスの工夫、EMR と ESD の棲み分け、などが重要な点と考えられる。本セッションでは、より確実で安全な大腸 ESD のために、現状の課題と今後の対応につき診断方法・適応症例の選択・手技の工夫など、各施設での取り組みをご報告いただき、討論したい。
- 過敏性腸症候群のすべて
司会の言葉
過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome: IBS)が代表的消化管疾患という見解には最 早異論はないであろう。IBS の新薬が次々に登場し、慢性便秘症などの関連疾患にも影響を及ぼしている。IBS の最新の診断基準は Rome IV に改訂された。また、粘膜透過性亢進、腸 内細菌、胆汁酸、低 FODMAP 食の研究が進められている。更に、脳腸相関、知覚神経経 路、ストレス応答に関する新たな局面が生まれ、動物トランスレーショナル研究、バイオマーカー、ゲノム、疫学研究の探索が続く。本セッションでは、IBS 研究の最も熱い話題を基礎および臨床の両面から討議したい。
- 大腸がん化学療法の最前線
司会の言葉
大腸癌治療ガイドラインの治療アルゴリズムには、分子標的薬を含めた多くの治療法が記載されている。これらの中から適切な治療法を選択するには、対象患者の臨床的因子だけでなく遺伝子変異や遺伝子多型なども重要な要素である。しかし、大腸癌の原発部位による薬物反応の違いや BRAF 変異例の治療方針などまだまだ未確定な要素も多く、実際の治療選択は容易ではない。これらを踏まえた各施設や臨床試験グループにおける大腸癌化学療法に対する最前線の取り組みについてご発表頂き、活発に議論していただきたい。
- ここまで来たナビゲーションサージェリー
司会の言葉
近年、画像診断の進歩により多くの情報が術前あるいは術中に得られるようになってきた。
これらの画像所見あるいは術中にリアルタイムで得られる所見を基に手術に応用するナビゲーションサージェリーが行われてきている。
本ワークショップでは,ナビゲーションサージェリーを行う際の工夫や各方法の利点を発表していただきたい。
各臓器で様々な方法があり、そのような方法が他臓器でも参考になることを期待する。
- 漢方で消化管を癒す
司会の言葉
消化器を漢方では脾胃と一般的に呼ぶ。その脾胃の機能異常とは一般的に冷えや熱の有無を加味した消化管運動機能異常や消化機能低下を指す。消化管運動機能異常のベースには気虚があり、運動機能異常は水毒につながる。生薬の組み合わせである漢方はこのような病態を改善する。換言すれば「漢方は消化管を含む消化器を癒す」ともいえる。消化器を癒し、患者さんの病態を改善したご経験や、そのまとめをご提示いただきたい。
- 消化管を和ます―最善の緩和を求めて
司会の言葉
近年、消化管原発の悪性疾患に対する治療成績は、内視鏡手術を始めとする手術手技の進歩や、分子標的薬をはじめとする薬物治療の発展により向上してきました。一方、病状が進行した際に出現する悪心・嘔吐、腹痛などの消化器症状や、他臓器転移による多彩な苦痛症状への対応はどのように変化してきたのでしょうか。各施設より最新の知見をご報告頂き、消化管がんに対する苦痛緩和の“現在そしてこれから”について考えたいと思います。
症例検討セッション
- 「~記憶に残った症例や診断・治療に難渋した症例~」上部消化管
司会の言葉
ここれまでの常識で説明できないデータにこそ新しい真実が隠れています。臨床の場においてもエビデンスで語れない症例にこそ新たな発見があると思います。診断に苦慮した症例、思いがけない経過をたどった症例、集学的治療で救命できた症例、予想外の合併症をきたした症例など、上部消化管領域で記憶に残る症例、治療に難渋した症例を提示していただき、貴重な経験を参加者で共有できればと思います。
- 「~記憶に残った症例や診断・治療に難渋した症例~」下部消化管
司会の言葉
会員各位これまでの下部消化管の臨床経験で、ここに目をつけたことや、これを施行したお陰で正しい診断・治療に行きついたり、逆にこれを怠ったためになかなか正しい診断・治療に行きつけなかったという記憶に深く刻まれている症例が存在すると思われる。
今までに経験された貴重な症例をPersonal communicationだけで終わらせることなく公表の場となる本学会のこのセッションで記憶に残る症例をご提示頂き、会場の皆様の今後の臨床に役立つディスカッションを行いたい。内科・外科を問わず、資料の十分揃った症例が多数応募されることを期待する。
パネルディスカッション
- 胃食道逆流症の病態と治療戦略
司会の言葉
我が国においても胃食道逆流症(GERD)は増加の一途をたどり、最も common な疾患の一つとなってきている。当初その病態は、そのほとんどが食道内酸暴露時間により決定される単純なものと考えられてきた。しかし新たな modality が導入され、症状や合併症、そして GERD 発生メカニズムへの理解が進み、その病態が非常に複雑であることが明らかとなりつつある。また、臨床的には治療薬として PPI が万能であるという神話は崩れ、PPI 抵抗性 GERD が大きな問題となり、PPI の効果を再検証すべきであるという機運が高まりつつある。これらに対して、PCAB が登場し、また酸以外をターゲットにする治療法や、内視鏡的あるいは外科的治療法が模索されている。本パネルディスカッションでは、GERD の病態に改めてアプローチし、これに基づいてこれまでの治療を検証し、さらに新しい治療法を模索したい。意欲的な多くの演題の応募を期待する。
- 小児発症の炎症性腸疾患の現状とトランジション
司会の言葉
小児発症の炎症性腸疾患の増加に伴い、診療が小児科から成人内科へ移行(トランジション)する機会も増えているが、その際の問題や方法について、本邦では理想的なガイドラインは未だ確立されていない。本セッションでは、小児発症例の最近の動向、ならびに成長障害や超早期発症など小児例に特有の臨床的な問題も含め、内科・外科治療の現状とトランジションの問題について関係診療科が横断的に議論することで優れたトランジションプラン作成の一助となることを期待している。
ESDフォーラム
- 十二指腸病変に対する内視鏡治療
司会の言葉
十二指腸においては解剖学的特徴から、極めて侵襲が大きくなるため手術を回避したいというニーズが高いが、一方で低侵襲治療である内視鏡切除も手技の難易度や偶発症のリスクが高く一般化していない。術中や遅発性の穿孔の際に胆汁および膵液が腹腔内に漏出すると、致命的な偶発症になりかねない。本セッションでは、この様な状況の中で十二指腸腫瘍をどの様に取り扱うかべきか、より安全で確実に治療するためにはどの様にすべきかについて議論したい。
ビデオフォーラム
- 上部消化管癌に対する内視鏡外科手術
司会の言葉
癌に対しての内視鏡外科手術は着実に普及しており、限られた領域・術式を除いては、ほぼ保険診療でもカバーされている。一方、その安全性に対する懸念も一部で指摘されている。診療現場では、安全性を担保しつつ癌に対する根治性をも保証できる様々な取り組み・工夫がなされていると考える。本セッションでは、ビデオを用いながら各施設の上部消化管癌(食道癌、胃癌)に対する最新の術式を紹介していただきたい。
- 下部消化管癌に対する内視鏡外科手術
司会の言葉
下部消化管癌に対する手術は内視鏡外科手術が主流となり、癌の部位や進行度に関わらず、ほぼ全ての症例が内視鏡外科手術の適応となりつつある。また、TAMIS など新しい手術手技も登場し、低侵襲手術の追求は、現在進行形である。しかし一方で、外科医に十分な知識や技術がないまま、手術が行われる危険もあり、それは患者の不利益に直結する。本セッションでは、理論や解剖に基づいた内視鏡外科手術を発表していただき、外科医が継承すべき手技や、その理論的・解剖学的根拠を提示していただきたい。
国際セッション:
IGICS(The 11th International Gastrointestinal Consensus Symposium)
- gastrointestinal cancer
- gastrointestinal infection
要望演題
- 食道癌サルベージ手術の現状と課題
- 食道接合部癌の諸問題―診断から治療まで
- 腹腔鏡内視鏡合同手術の現状
- 上部消化管出血に対する内視鏡手技
- Stage IV胃癌の治療戦略
- 胃癌術後のQOLを向上するために
- 大腸SM癌の診断と治療
- 進行大腸癌のup to date
- 下部直腸癌の診断と治療
- 下部消化管内視鏡の挿入法のコツと工夫
- コールドポリペクトミーの現状
- 内視鏡治療の工夫(Video)
- 内視鏡外科手術の工夫(Video)
- 再生医療の最先端
- 消化管疾患と肥満
- チーム医療の実際
- 高齢者の内視鏡治療の現状
一般演題
採否
2017年11月上旬を予定しております。
発表形式
当日の発表はパワーポイントのみご用意させていただきます。